光琳水

korinmizu1

(この文章は、
 わたしのfacebook投稿
 2017/2/14日付からの転載です。)

文様よもやま話。
流水紋をご紹介します。

takenaka kinsaiでは
いくつか流水紋の型紙を使っていますが

今回は特に「光琳水」と呼ばれるものを
ピックアップしました。




korinmizu2
光琳水は、その名の通り
江戸時代前中期の絵師、
尾形光琳「風」の流水模様です。

晩年の傑作、
国宝「紅白梅図屏風」を想起させ
お気に入りの図案です。

超格好いい、と思っています。
出場機会では1、2を争うでしょうか。

光琳梅に光琳菊、光琳松に千鳥・・

その他にも
光琳さんは、今も愛される「光琳模様」を
たくさん残してくれました。

後世に及ぼした影響を考えると
いちアーティストといった解釈で
済ますことはできず
意匠家として見てもスゴイ人です。

在世中から「光琳模様」は流行したそうですが
光琳風の絵手本、画譜は
死後も繰り返し出版された記録が残っています。

20年、100年、200年と世代を重ねても
その時々のアーティスト、呉服商に
「ヤバイ」「センスの塊か」と
リスペクト、真似されまくり

今日に至ってしまった、
という感じみたいです・・。

今でも、大げさでなく
雑誌などでみかけるモダンな京都っぽさ、って

結局、何パーセントか(消費税分くらいは)
単に「光琳じゃない?」と思うことがあります・・。

(ところで、
 この巨人、Mr.キラキラネーム光琳さんですが
 (=光の玉がぶつかり合い奏でる音色、みたいな意味)
 プラベートも規格外でした。

 読みやすい小説みたいなものを
 読みましたが、

 健やかな少年時代を経て
 青年期からはダメエピソード、
 クズエピソードのオンパレード・・

 結婚後、経済的困窮から
 ようやく画業に打ち込むも

 (すでに40歳・・本で言うなら、もう残り1/4くらい・・!)

 それでも尚、ゲスエピソードを積み重ね、
 ロマンスが有り余った結果、

 生涯に(奥さん以外の女性との間に)
 7人の子供を授かりました・・

 ギリシア神話か何かの話ではないんですから・・。(三ε三)

 けれど人物像を知って、
 ますます光琳さんとこの文様に愛着が持てそうです・・。)

さて「流水紋」に話を戻すと
起源は古く、銅鐸にも既に見られるそうです。
・・弥生時代以前ということになるのでしょうか。

「〇〇に流水」みたいな形で、
組み合わされることも多く本当に馴染み深い柄です。

(作り手の理屈としては、
 流れを目線の誘導に使えたり、
 空間をつなぎ超現実的な風景を
 ふわっと作り出せたりするため
 そりゃ、重宝するわな・・
 と想像してしまいますが・・。)

水だけあって火難除けの意味を持ち、
引越し祝いにもこの柄のアイテムは喜ばれます。

また、
この図案が面白いのは、
水の流れが一時も同じ形に止まらないことから

「この一瞬一瞬を大切にしよう」という考え方に
通ずるところです。

何にでも合わせらせるのに
こんな哲学的な見方ができてしまう、
懐の深い柄です・・。(三ε三)